腫瘍マーカーとは、がんの診断や治療効果の評価、再発の監視に用いられる物質のことです。主に血液中に存在し、がん細胞自体が生成する物質や、がんによって体内で生成されるものですが、がん以外の疾患や、体の変化により上昇することもあるために、診断できるものでは決してありません。わずかな上昇でも基準値を超えた場合には異常値とされますが、必ずしもがんの存在を示唆するわけではないため、あくまで参考材料や、精密検査を行うきっかけとなるものとお考え下さい。直接細胞を採取したり、観察ができないために検診しずらい臓器のがんや、画像検査による検診に加えて行うことなどがお勧めです。なお、前立腺腫瘍マーカーである「PSA」は唯一がんの早期発見の有用性が確認され、前立腺がん検診にも採用されています。40歳以降の男性では検診の際に定期的にチェックしておくことが勧められています。
血縁者にがんの既往のある方
血液検査(ご希望の腫瘍マーカーをお選びください)
項目 | 参考になるがんの種類 |
---|---|
NSE | 肺がんなど |
SCC | 肺がん/子宮頸がんなど |
CYFRA | 肺がんなど |
ProGRP | 肺がんなど |
CEA | 胃がん、大腸がん(消化器系がん)など |
CA19-9 | 膵臓がん、胆嚢がん、胆管がん、卵巣がんなど |
抗p53抗体 | 大腸がん、食道がん、胆管がん、卵巣がんなど |
AFP | 肝細胞がんなど |
DUPAN-2 | 膵臓がん、肝細胞がん、胆嚢がん、大腸がん、胃がんなど |
PIVKA-II | 肝細胞がんなど |
CA125 | 卵巣がん、子宮がん、子宮内膜症など |
CA15-3 | 乳がんなど |
エラスターゼ1 | 膵臓がんなど |
PSA | 前立腺がん |