乳がん検診について
乳がんの検査には「マンモグラフィ検査」と「乳腺超音波(エコー)検査」の2種類があります。
現在、公的な検診として採用されているのはマンモグラフィ検査ですが、これは国民の乳がん死亡率を減少させるという見地から選ばれています。しかしどちらの検査法も、お一人お一人にとってがんを見つけるために非常に有用ですので、今のご自身の事情に合わせた適した検査を選ぶ、または2つの検査を合わせて行うことで、より質の高い検診をお受けいただくことができます。
マンモグラフィ検査
マンモグラフィ検査は、片方ずつお胸をできる限り薄く延ばし、レントゲン(X線)撮影を行う検査です。お胸を数秒間はさむ際、圧迫感を痛みの様に感じる方もいますが、基本的に痛みの少ない検査で、X線量は海外旅行で飛行機に乗って浴びる自然放射線量と同程度といわれています。
市検診では2年に一度検診を受けられますが 、時にはご自身のリスクに合わせて、1年ごとの検診を行うことも大切です。市検診と自由診療での健診を組み合わせて工夫するとお得に受けることができます。
【費用】
川崎市乳がん検診 1,000 円
マンモグラフィ検査(自費) 6,050 円(税込)
2021年9月より 最新のマンモグラフィ機器を導入しております
従来に比べ、画像認識技術の向上により、使用X線量30%ダウン。高精細画像によりこれまで以上に微細な病変がわかります。乳房を強く圧迫する時間の短縮と、より痛みを感じにくい形状の工夫などがされています。
(基本的に強い痛みのでる検査ではありません。乳房の圧迫の感じ方は個人差があります)
撮影は、女性の放射線技師が担当します。
「AMULET Innovality」
FUJIFILM製
結果については、当センターにご来院もしくは郵送にて丁寧にわかりやすくご説明します。
ご来院の場合は、ご希望やご不安がある方へ女性医師による視触診も行いますので、お気軽にご相談ください。
(結果説明ご希望の場合)
・自費検査の場合は約2 週間後、川崎市乳がん検診の場合は約3 週間後の予約をお取りいたします。
(郵送をご希望の場合)
・検査から約3〜4 週間後の到着になります。
マンモグラフィ検査を受ける前に
理想の検査のタイミングは?
月経開始5~12日目までの時期に受けましょう
この時期は、乳腺の張りがないために病変が見えやすく痛みも少ないこと、また妊娠の心配が少ないことが理由です。
※月経直前は、ホルモンの影響で乳房の構造が変化します。乳房の圧迫が不十分になり病変を見落とす危険があったり、痛みを感じやすいことがあるのでお勧めしていません。
(検査予約前に、必ずご一読ください)
川崎市検診では、安全な検査、精度の高い検査のために、いくつかの確認項目があります。下記項目に該当している方には、注意事項や市検診に代わる乳がん検診のご案内をしています。「マンモグラフィ検査の注意点」を是非ご参考にしてください。
※川崎市乳がん検診ご予約の方には、「川崎市乳がん検診申込書・記録票」第4 号様式(乳がん検診)と『川崎市乳がん検診「マンモグラフィ検査」実施に伴う確認事項』の用紙を事前にお送りしています。ご自宅でご確認、ご記入いただき、検診当日にご持参ください。
(下記に当てはまる方は、川崎市乳がん検診を利用できません)
①今年度、前年度にも川崎市乳がん検診を受けている
②妊娠中、妊娠の可能性がある
③乳がんと診断されている又は乳がんの手術を受けたことがある
④心臓ペースメーカー術を受けたことがある
⑤乳房に「人工物」が入っている又は豊胸手術を受けたことがある
⑥現在、授乳中である
⑦乳房にケガをしている又は胸部をケガしている
⑧V-Pシャント手術(水頭症手術)を受けたことがある
下記の項目に該当する方は、一般的にマンモグラフィが受けられない、または受ける際に注意が必要です。注意事項やマンモグラフィに代わる検診のご案内をしています。「 マンモグラフィ検査の注意点 」を是非ご参考にしてください。
(下記に当てはまる方は、ご注意ください)
・妊娠中、妊娠の可能性がある
・心臓ペースメーカー術を受けたことがある
・乳房に「人工物」が入っている又は豊胸手術を受けたことがある
・現在、授乳中である
・乳房にケガをしている又は胸部をケガしている
・V-Pシャント手術(水頭症手術)を受けたことがある
※マンモグラフィ撮影の体位が取れない方(車いすや麻痺など)は事前にお知らせください。
検診自体は可能ですので、サポートしての撮影をご準備いたします。
乳房超音波検査(エコー)
乳房超音波検査では、お胸全体にゼリーを塗ってプローベと呼ばれる小さな機械を当てると乳房の様子が映し出されます。検査時間は10分程度で、痛みを感じづらい検査です。
硬い病変や変化を写し出すことが得意なマンモグラフィに対し、乳房超音波は、マンモグラフィではとらえにくい脇のほうまで観察できることや、早期の乳がんや良性の腫瘍などの柔らかい病変を映し出すことが得意な検査です。またX線を使用しないため、妊娠中も行うことが出来ます。
マンモグラフィ検査とは異なる特徴をもった有用な乳房超音波検査ですが、公の検診として採用するべきかの調査が行われている最中で、ほとんどの地域で公的な乳がん検診としては採用されていないため、自費での検査となります。
<こんな方におすすめ>
・マンモグラフィで高濃度乳房の指摘を受けた方
・お胸に事情を抱える方(心臓ペースメーカー・豊胸手術などでマンモグラフィ不可の方)
・40 歳未満の方(公的検診がなく、超音波での乳がん検査推奨される年齢層です)
・妊娠中・授乳中の方
検査は、経験が豊かな女性技師が担当します。また、結果説明も女性医師が行います。
検査日:毎週水曜日 午前中
乳房超音波検査とマンモグラフィ検査は、お互いを補い合うような検査です。
より精度の高い充実した乳がん検診をご希望の方は、セットでの検査をお勧めいたします。ご自身のリスクやご事情に適した検査をお選びください。
【 費 用 】
乳房超音波検査(自費) 4,950円(税込)
マンモ+エコーセット(自費) 9,900円(税込)
●マンモグラフィ検査の注意点
(下記に当てはまる方は、川崎市乳がん検診事業を利用できません)
今年度又は前年度に川崎市乳がん検診を受けている
理由:川崎市からの補助は 2 年度に 1 回です。
・今年度はオプション検査(6,050円税込)によるマンモグラフィをご検討ください。
現在妊娠中である又は妊娠の可能性がある
理由:放射線障害誘因の危険性があるため。
・妊娠中は乳房超音波検査による検診が受けられます。
※ただし、妊娠中は乳腺が普段とは異なる状態であることをご理解の上、ご検討ください。
※マンモグラフィは月経開始 5~12 日目の時期に受けましょう(妊娠の可能性が低い時期)。
乳がんと診断されている又は乳がんの手術を受けたことがある
理由:現在、通院されている医療機関での検査を優先してください。
・治療、経過観察終了後の方で不安のある方は、麻生総合病院乳腺科へのご相談ください。
心臓ペースメーカー術を受けたことがある
理由:市検診の条件下では、ペースメーカーに配慮した撮影が出来ません。一般的にもこのような方への検査は注意を要するため、当センターではマンモグラフィ検査は行っておりません。
・乳房超音波検査による検診をお勧めします。または、麻生総合病院乳腺科へご相談ください。
乳房に「人工物」が入っている又は豊胸手術を受けたことがある、V-Pシャント手術(水頭症手術)を受けたことがある
理由:検査時の乳房圧迫により、挿入物への影響や破損の懸念があるため。また、各種手術時にマンモグラフィ撮影は可能と説明を受けている方でも、挿入物によっては判定にふさわしい画像が得られないことがあるためです。
・乳房超音波検査による検診をお勧めします。または、手術を受けられた医療機関もしくは麻生総合病院乳腺科へご相談ください。
乳房にケガをしている又は胸部をケガしている(肋骨骨折や1か月以内の胸部 外傷等)
理由:現在の治療および治癒を優先してください。
・創部が軽快してからの検診をお勧めします。
現在、授乳中である
理由:乳汁のカルシウムの影響で、検診に適したマンモグラフィ画像が得られません。
・マンモグラフィではなく、乳房超音波検査による検診をお勧めします。
※乳腺の状態から、断乳後、約6か月経過してからの検査が勧められています。
上記いずれの場合も、明らかな症状や異常がみられる際には、検診ではなく 麻生総合病院 乳腺科の受診をご検討ください。
*40 歳未満の乳がん検診は、高濃度乳腺の傾向が強いことから乳房超音波による検診を推奨しています。
*20代~40歳未満の方で、乳がん検診のどちらかの検査をお考えの場合は、「乳房超音波検査」をお選びください。
(自費マンモグラフィ検査も可能ですが、精度の高い判定が得られないことが多いため)
「女性のためのプラスワン検診」
当センターでお受けいただける、『川崎市特定健診』、『後期高齢者検診』、『企業検診のオプション』に加えることで、ワンランク上の安心をサポートする検診をご提案しております。ご自身のお悩みや心配事に合わせた組合せをお選びいただけます。また、女性特有のお悩みに合わせた検診がお受けいただける「女性のためのプラスワン検診」をご用意しております。